「蜃気楼の塔」イベントから考えること


9/26〜10/9まで、蜃気楼の塔イベントがありましたね。
一週間延長されたりと、かなり盛況でした。なぜあのイベントがウケたのでしょう。なぜあのようなイベントが開催されたのでしょう。少し考えてみたいと思います。


えー大変申し訳ないのですが、蜃気楼の塔のSSを挙げながら読んでもらおうと思ったのですけど、リカバリでSSが全部吹っ飛びましたので文字だけです。


さて、今のROの状況はというと・・・


大半の廃プレイヤーはGvG(攻城戦)で俺TUEEEEEできるかできないか、効率が出るか出ないかしか興味がないと思う。BOTRMT、転生、GvGといった、ユーザーの自己顕示欲だけを増徴させる運営方針を繰り返し、一部を除いてROユーザーの質は驚くほどに陳腐化してしまっている。


BOTNEWS 10/15記事より。


BOTNEWSは皮肉たっぷりで、煽り要素もありますが、読み応えある記事で、多くのROユーザーに支持を得ているブログサイトです。


残念ながら、このBOTNEWS管理人の主張は、強ち間違ってはいないと思います。確かに、強くなりたいという気持ちは別に悪いことではありません。他人の強い自分を見せ付けることは、マンネリなレベル上げやボスを追って苦労した対価であり、モチベーションだという人もいるでしょう。


MMOの世界では、完全ソロでは強くなれません。だから、同じような志を持つ者のみでボス時間を回しあい、高い効率の出る狩り方、高く売れそうなアイテムの情報を仲間内のみで共有しあいます。また、対人特化キャラをつくり、それによりGvで勝ち、それで得たAD(ギルドダンジョン)でさらに強さに磨きをかける・・・という循環を繰り返す人も少なくありません。これは、自分達だけが俺TUEEEしたい訳であり、お世辞にも開かれたコミュニティとはいえないROライフです。こちらの記事で取り上げたこともあります。


このことがもたらすことは、自分の仲間となる人間以外を「敵」とみなしやすいことであり、そのことが他人に対する感謝の気持ちや思いやりの欠落、マナーやモラルの低下を招いていることは間違いないでしょう。強くなりたいこと自体はかまわないのですが、強くなって自己顕示欲を満たしたいが為に人づきあいをすることと、自分(達)以外の人を排除することが問題なのです。


だから、「強くなりたい!」という思いがもたらす結果として・・・
・Gvに勝って、ADがないとそもそもギルドが活発にならない。
・転生職・プレイヤースキルが高い人間、効率が出せる人間としかパーティを組みたくない。
・効率の出る狩り、レアアイテムがでる狩りしかしたくない。
・狩場で他に狩りしているひと、ボス狩りの対抗を「ウザイ」と思ってしまう。
といったことに当てはまる人が結構いるのではないでしょうか。


唯一の人と出会う場、臨時でも、自分のLvと利害に合致する人としか会わない傾向があれば、やはり開かれたコミュニティとはいえないでしょう。また、強くなりたいと思わなくても、いつもログインして同じ溜まり場のメンバーと話して落ちるだけ、では俺TUEEEはしないでしょうが、コミュニティとしては閉じたままです。


そう
今のROには、自分(達)だけよければかまわないというコミュニティばかりで、開かれたコミュニティは、無いといっても過言ではありません。。そして、それはアップデートを繰り返すごとにより顕著になっています。


私もいろいろな人と触れ合うようにはしていますが、完全に上記の例に当てはまらないとは自分を見つめても言い切れません。でも、「そもそもMMORPGって、いろいろな人と出会い、同じ目標をもって冒険することが楽しみじゃないの?」という気持ちはあるのです。
さて、そこでやってきたのが蜃気楼の塔です。



このイベントの魅力は、塔をクリアするにはみんなの力を合わせる必要があるということです。すなわち、皆の利害が一致するのです。だから、チャットを出しておけば公平組めるパーティからいくつもお誘いがきたり、商人が塔の中で原価に近い値段でアイテムを売ったりしていました。よって、Lv帯で別れ、100人程度しか入れませんが、開かれたコミュニティで、皆協力して塔の最上階を目指していけたのです。


開かれたコミュニティをみると、いろいろな人がいるなぁと改めて実感します。例えば、何度も来ていて、敵が来る場所を知っていて、積極的に「そこあぶない」などと声かける人、とにかく支援がすきでプリーストばかりやっている人、全然戦わない代わりにウィザードやダンサーにとても強力な支援スキルができるソウルリンカーを好んで使う人、中には、本当に戦わないでおいしいところばかり持っていく不届き者、とにかく大魔法で暴れたいウィザード(私はこれ)途中出るボスで一発を狙う阿修羅使いの人、そしてWizの生命線といえるブラギの詩を持つバードなど、様々でした。特にブラギとソウルリンカーは大事なので、「みんなで守れ!」なんて声掛け合ったりもしましたね。


ただ、悔やまれることはちょうどPCが壊れている時期であまり参加できなかったこと、クリアできなかったことですね。まぁ、それでもこのイベント通じてまたいろいろ知り合い増えたから、収穫は大きかったですね。


結局、運営会社であるガンホー「自分(達)ばっかりTUEEするのではなく、もっと他の人と触れ合うんだ!それこそMMORPGの本来の姿じゃないのか?」と言っているような気もします。案の定、「やっぱり俺TUEEEしたい」といった人はほとんど蜃気楼では見かけませんでした。なぜかというと、蜃気楼の塔では10人の俺TUEE君よりも30人の協力しあう人間のほうがはるかに強い場所なのですから。もっとも、あの悪名高い運営会社のイベントをそこまで好意的に捉えるのことは危険な気がしますが・・・w